インプラントも入れ歯も大切な人工臓器です

歯は、胃や肝臓や腸と同じように、あなたの大切な臓器の一つです。消化器の一つとして咀嚼し、食べて排泄するという消化系循環の入口にあります。また、発声を助け、美しい笑顔を作るという大事な役割も持っています。

その歯の代わりになるインプラントや入れ歯は、言うまでもなく人工臓器で、義手、義足、人工心臓などと同じように、体の一部となって、働いてくれるものです。そういう人工臓器で、何万円という金額で買えるものは、おそらく入れ歯だけでしょう。

保険の入れ歯なら、総入れ歯でも片顎1万円(3割負担)程度で作れます。入れ歯は、一度作ると6か月は規則で作り直せません。逆にいえば、6か月もつ入れ歯を作ればいいということになります。

しかし、そんな入れ歯が、はたして口にぴったり合い、よく噛めて長持ちするでしょうか。入れ歯に不満が多いのは、合わない入れ歯が大量生産されているからです。そこには、「入れ歯は人工臓器である」という意識は全くありません。義足や義手を付けている人は身体障害者に認定され、障害者手帳が交付されます。同じ「義」のつく義歯には障害者手帳は交付されません。

でも、歯がなければ食べられないことを考慮すると、総入れ歯の人に障害者手帳が出ても不思議ではありません。

こういうことから見えてくるのは、歯があまりにも軽視されていることです。

「歯が悪くても、命にかかわる事はない」と、残念なことに多くの人が思っています。

しかし、咀嚼を担う歯は「臓器」であり、健康のかなめでもあるのです。そんな大事な歯の治療を、あなたは人まかせにできますか。いいかげんな治療で満足できますか。毎日使う大切な人工臓器であるからこそ、もっと本気で歯の治療に向き合っていただきたいと思うのです。

総入れ歯

義足も総入れ歯も、人工臓器として体と一体となり、立派に機能を果たすのです。