近代インプラントの発明・ブローネマルク博士の功績
ひと口にインプラントといってもさまざまなシステムがあり、その基づく理論や持性、治療法、安全性はそれぞれ異なります。
ブローネマルクシステムによるオッセオインテグレーテッド・インプラントは、1952年にスウェーデンのベル・イングヴアール・ブローネマルク博士が、チタンと骨が完全に結合することを偶然発見したことから生まれたものです。
博士はその後13年間、綿密な基礎実験と動物実験を重ね、チタンがある一定の条件で骨に埋入された場合、チタンに対する骨の拒否反応は全くといってよいほど起こらず、そればかりかチタンの表面を覆う酸素の膜(酸化チタン)を通して強い結合が生まれることを確信しました。
そして1965年、初めて人工歯根としての臨床応用をスタートし、以来、最も信頼性の高い歯科インプラントとして世界中で使用されています。
1965年、動物実験のあとに、博士の右にいらっしゃるラーソン氏に初めてインプラントを埋入しました。これが世界で最初のインプラント治療の始まりでした。ラーソン氏は2006年にお亡くなりになりましたが、亡くなるまでの41年間、インプラントはお口の中で機能していました。
彼はその後も研究を重ね、1965年から臨床実験をはじめ、15年後の1981年にこの原理と臨床成績の学術論文を書き、世界に認められました。
オッセオインテグレーションは、埋入後3~4週でおこり、 相対的な骨との接触率が高くなるのは3ヵ月後であると一般的には言われています。
オッセオインテグレーションにより、インプラント治療は大きく変わり、全く新しいインプラントが生まれたと言っていいでしょう。
なぜ画期的なのか?と言えば、まず、「フィクスチャー」と「アバットメント」の2つの部分からできているという点が、インプラント治療を非常にやりやすくしました。
フィクスチャーは人工の歯根(歯の根っこ)となる部分で、骨に入るネジの形にしたのです。アバットメントは、フィクスチャーにはめ込むようになっていて、そこに人工歯を取り付けます。
手術では、最初に顎(あご)の骨にフィクスチャーを埋め込みます。清潔な環境の中で、骨に傷を付けないような慎重な作業が要求されます。
そのまま何ヶ月か経つと、チタンと骨が結合します。そして、フィクスチャーのネジ穴に、アバットメントと人工歯を固定します。
「オッセオインテグレーション」が開発されたことで、欧米では一気にインプラントが広まることになったのです。
現在のインプラントはこの骨結合型インプラント(オッセオインテグレーション・インプラント)が使用されています。
埋入した人工歯根が骨と結合するため、安定性が非常に高く、硬いものを噛んでもぐらついたりせず、天然の歯と変わらない噛み心地を得ることができます。 ブローネマルク博士の発明した世界最初のインプラントは、その後数々の改良を重ね、ブローネマルク・システムとして世界中の歯で悩める人々を救ってきました。
当院では世界中で使われ、もっとも信頼性の高いブローネマルクインプラントを使用しています。
◇ ブローネマルク・システム
ブローネマルクシステムインプラント治療が受けられるクリニックには左のようなステッカーが貼ってあります。
このマークは信頼できるインプラント手術ができる歯医者さんの目印です。