インプラントについて

「インプラントとは」

インプラントとは、平たく言うとチタンでできた太いネジのようなものです。このインプラント体を歯を失ったあとのアゴの骨に埋め込むと、しばらくして骨と固くくっつきます。

その上に人工の歯をとりつけて噛めるようにするのがインプラント治療です。チタンは肌に触れてもアレルギーが起こりにくく腐食しない金属です。

チタンがある一定の条件で骨に埋入されると、骨の拒否反応は起こらず、チタンの表面をおおっている酸素の膜を通して強い結合が生まれるのです。

「なぜインプラントか」

答えは簡単です。「快適でよく噛める」からです。入れ歯のような異物感もありません。もともとあったご自分の歯のように磨くだけなので、お手入れもらくで清潔です。また、従来の入れ歯などの治療法にくらべて、はるかに長持ちすることが統計上証明されております。

「ではすぐインプラントしてほしいが大丈夫か」

いいえ、大丈夫ではありません。悪い歯を抜いて、すぐインプラントするようでは、問題は解決しません。問題は歯が悪くなった原因をみきわめることです。

ある患者さんは、重度の歯周病が原因かもしれません。またある患者さんは,歯の根っこの病気が原因かもしれません。またある患者さんは、強い歯ぎしりをするせいで歯にヒビが入っているのかもしれません。

ひとまずは、歯が悪くなった原因を正確に診断しなくては、将来インプラント自体にも問題がでかねません。

もし、すぐに抜いてインプラントにしましょうと、あなたの担当医がいったとしたら、別の医者を探しましょうと私はあなたにアドバイスさしあげます 。

「ではどういう手順で治療をすすめるのが理想的か」

歯を失った原因が歯周病であれば、この病気は「感染症」であるから、細菌検査をおこない、末期の歯周病の歯は抜歯をおこない、残る歯は、抗菌剤を応用した抗菌療法により、徹底して残すように努めます。

お口の中が除菌され歯周病学的に清潔になった段階で、安心してインプラント治療をすることができます。

近年、インプラントの普及にともなって、インプラントの歯周病的状態である、「インプラント周囲炎(inplantitis)」の報告が増えていると聞きますがインプラントを成功に導くためにも、正しい歯周病治療が必須になります。

歯の根っこが膿んでいて「もう抜歯だ。」とさじを投げられたとしても、最新の顕微鏡(歯科用マイクロスコープ)を使った精密治療で抜かないで残せるかもしれません。あくまでもご自分の歯を残すという視点は忘れてはいけません。

「インプラントをしたあとの手入れはどうしたらいいの」

最近まで、インプラント部は、他の歯よりもより時間をかけてていねいに磨くという指導がなされてきました。それはそれで、結構なことだと前置きしますが、「真実」は、他の歯と同程度のブラッシングで問題がないことが明らかになっています。

あとは、6か月ごとの定期検診を欠かさないことが重要です。

「インプラントって、どの製品を選ぶべきなんでしょうか」

日本では近年、急速な人口の高齢化、生活水準の上昇、人々の意識の変化などにより健康に対する関心が一層強くなっています。単に欠損部の機能回復を図るだけでなく、より健康に、より豊かな生活を送りたいという患者さんの要望にこたえるために、我々歯科医師がどのような製品を選択し、使用するのかが問われています。

患者さんの立場で考えれば、10年後、20年後そして30年後でも部品、材料等が供給できる企業が開発しているインプラントであるかどうか、つまり、その会社がつぶれてしまってはインプラント治療後に修理する部品調達もできないということになるのです。

また、製品の質に関しては国際的視点から各国の大学病院等専門機関で常に研究され続け、科学的根拠をもって信頼され使用されているインプラント製品であることが一番重要なことになります。

スウェーデンのブローネマルクインプラント、スイスのストローマンインプラント(旧ITIインプラント)、スウェーデンのアストラテックインプラント、アメリカの3iインプラント、これらを世界4大オリジナルインプラントといったりしますが、これらであれば間違いのないところでしょう。 ちなみに、かさい歯科クリニックでは、ブローネマルクインプラントとストローマンインプラントを症例に合わせて使っています。