即時加重(荷重)インプラントとは

質問 即時加重(荷重)インプラントとはどういうものですか?(横浜市 SI) 

インプラントを埋入して、すぐに仮歯の人工歯をとりつけて噛めるようにするのが即時加重インプラントと呼ばれる術式の総称です。通常はインプラント埋入から一定期間待って、インプラントと骨とがしっかりくっついてから人工歯を取りつけます。つまり手術から噛めるようになるまで一定の期間を要していました。なので状態によってはご不便をおかけすることもあるわけです。

そのような不便さを可能な限りなくすための試みとして普及し始めたものが、即時加重インプラントという術式なのです。

即時加重インプラントはどんな場合にも可能か

即時加重インプラントは、骨質などの条件の良いあごの骨の場合は、すぐに噛めるようにすることも可能ですが、残念ながら全ての患者さんのあごの骨の質が良いわけではありません。基本的に、十分な術前の診査・診断が重要で、そのうえで、即時加重インプラントが可能かどうかを判断します。

しかし、術前診断で即時加重インプラントが可能であろうと思っても、実際手術をしてみると思ったほど骨質が良くなく、即時加重インプラントは無理と判断して従来の方法にその場で切り替えることもよくあることです。また、術後も、食事を注意していただくなどの注意が必要で、経過の注意深い観察が必要です。

以上から、条件がそろい、患者さんの協力がいただければ、ひとつの選択肢となりますが、すべての患者さんにお勧めできるほどエヴィデンスのある万全な治療法ではありません。私は、基本的にはオーソドックスな従来法を多く用いています。

今の一流のインプラント製品では表面性状が進歩しているので、待っても1~2カ月ですから、より確実で安心を求めるならばその方がよいと考えているからです。早くても予後が悪くなる危険は避けるべきです。こと医療であるならば。